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4)Inclanay Tributary、Mabuhay ?、Socorro(土壌?、写真33・34、図12)
Naujan湖の南部の国道1号から7月30日に4)Singolan Ricefieldsへ行く時通った道を下り、さらに北東方面に起伏のある台地上位面を進み同下位面で車を降りた。台地のカラマンシー等のプランテーションの甲を歩き、斜面を下った所に、地図には描かれていない小さい川がある。バナナ畑の斜面の中腹を谷頭として湧き出した水が溜まり湿潤状態が保持された狭い荒地や水田が緩傾斜地ながら生息地となっている。標高20mで、そのすぐ近くでは川に板を渡し(橋であろうか)、子供に水遊びをさせながら洗濯をする2人の婦人がいた。pHは水6.70、土壌6.98で、さらに下流側は幅約10mに谷床低地で水田となっている。土壌の化学的性質はCaOは0mg、MgOは25mgで低く、Feは2000ppm以上、Mnは50ppmで、台地性の風化土壌である。水のCODは0ppm、CaCO3は5ppmと低い値を示した。
5)Menglit Creek、Mabuhay ?、Socorro(土壌(21)、写真35、図12)
3)Inclanay Tributaryの下流の幅約25mの狭い谷で、湖畔まで約200m、標高約10mの、水田と山の間のクリークの周辺が草叢となり生息地となっている。バナナ・ココナッツ・竹等の植えられた山がせまり、土壌の性質は4)Inclanay Creekとほとんど同じでCaO、MgOは低く、Feは多い。pHは水6.30、土壌6.70で、水のCODは0ppm、CaCO3は1ppmで極端に低かった。
8月1日
交通機関を主に舟に依存しているNaujan湖東部山地の湖畔の生息地を、悪天候のため陸路で、食料を持って調査した。7月31日に訪ねた4)Inclanay Tributaryと同様、Naujan湖南部の標高80mの国道1号から湖畔側へと下り、標高約20mの台地下位面上のSaaban川を越し、平坦な三角州上位面を通過し、標高30mから260mの起伏のあるココナッツ林の山中を走ると、標高100〜120mの尾根近くの平坦部に土地のオーナーの家があった。そこからは同氏所有の湖畔の家や耕地や、後記の1)・2)の生息地を見下ろせ、車を置き、徒歩で急勾配の山道を下った。オーナーらはこの斜面をカラバオで往来している。松田は昨年舟で現地を訪れているが、既往の分布図の誤記で再度訪問したことになった。
1)Macalalad Swamp、Tagbakin、Pola(土壌(22)、写真36、図16)
尾根から、傾斜約30度と急勾配の、岩と赤色風化した粘土で滑りやすい道を下り、標高10〜15mの斜面の中腹に、生息地があった。火成岩の、最大直径2mにおよぶ岩石も露出し斜面に起伏があり、各所から地下水が染み出し面状流となり、粘土層からなる凹地(微低地)に溜りいわゆるボギーの湿地となり、多数の稚貝が生息していた。この粘土層が不透水層を形成し地下水面となっていると推測される。1994年訪問したPasi ?の湖岸の、斜面から流出する湧き水の下位の生息地と類似の条件と考えられる。また日本の宮入貝生息地である甲

 

 

 

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